日帰り鉄旅の限界

名古屋から日帰りでいろんな路線を制覇する人の旅日記。

名古屋に近いローカル線--名松線 (&参宮線) 乗車記

2019年1月12日に、名松線参宮線に乗ってきました。今回は、その記録です。
「とは言っても、名松線参宮線?どこだよそれ」と思った方のために路線図を用意しました。

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(JR東海公式サイトより)
はい。詳しいことは後で説明しますが、名松線は名前にも入っているように(ここ重要)、松阪牛で有名な松阪から三重の山奥の伊勢奥津までを結ぶ路線です。参宮線も名前の通りで、多気駅から伊勢神宮が近い伊勢市駅を通り鳥羽まで至る路線です。ちなみにどちらも単線...というか、三重県のJRの路線は全部単線だし、赤字です。
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使う切符は、「青空フリーパス」です。JR東海の名古屋周辺の路線が1日中使えます。要するに、静岡では使えません。

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名古屋駅から出発〜〜! このホームからは関西本線の列車が出るので関西本線駅ナンバリングがしてあります。快速みえで、松阪まで一気に行きます。

快速みえ vs. 近鉄の急行

快速みえは、名古屋駅伊勢市、もしくはその先の鳥羽とを結ぶJR東海の快速列車です。三重へお出かけの際はぜひご利用ください... というのは建前で、本当は競合している近鉄名古屋線から客を奪い返すためにあります。(ってか、JR東海のHP見たら競争するためって書いてあったわ...) じゃあちょっと、快速みえと近鉄の急行を比べてみましょう。

  • 時間と料金

名古屋から鳥羽まで行く場合、快速みえではおよそ2時間かかって、2450円です。走るところの殆どが、単線区間なので列車交換に時間がかかったりので遅れがちです。あと、2450円するのは途中ショートカットしてJR区間ではない伊勢鉄道線を通る時の運賃も含まれているからです。(特急 南紀もそうします、青空フリーパス伊勢鉄道線の運賃は不要です。) 近鉄の急行でも2時間かかりますが(乗り換え時間は考慮しない)料金は1710円。近鉄の方は全線複線で列車交換なんてないので体感的にはこっちの方が速いし料金も安いという... ちなみに、乗り換えなしで近鉄特急で行く場合は1時間30分ぐらい。30分短くなる程度ですがお急ぎの方はご利用ください。

  • 快適性

快速みえに使われる車両は、キハ75系というディーゼル車です。でも、近鉄の急行と太刀打ちできる速さです。(実際乗ったときレース?をしてました) また、席に確実に座りたかったら指定席券を買って1号車前半分の指定席に座れます。まあ別に指定席だろうが自由席だろうがシートの質とか特に変わりはないですが。なお、近鉄は特急を除いてロングシートの車両が多いので快適性に欠けますが快速みえは転換クロスシートです。長旅をする私みたいな人は、特急料金なしでクロスシートは嬉しいです。(近鉄名古屋発の五十鈴川行き急行の車両にクロスシートが多い気がするんだけど、対抗しているのかな?)
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クロスシートで指定した席にも座れるけどちょっとお高い快速みえか、ロングシートだけど比較的安い近鉄急行か。どちらも時間はあまり変わらないし、一長一短だとは思います。
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※津駅の対抗心むき出しの快速みえの宣伝。

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松阪駅到着! 名松線近鉄線(山田線)は乗り換えです。じゃあ名松線へ乗り換え...
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ってうわあなんだこの時刻表?!1日8本しかないだと?!


...と、まあ適当にリアクションしましたが事前に調べていたので大丈夫です。30分ぐらい待つだけです。
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そうこうしてるうちに、電車...じゃなくてディーゼル車がやってきました。
この車両は、キハ11系で、JR東海では名松線でしか運用されていません。もう一つ運用されている路線があります。JR東海の子会社の東海交通事業が運行している城北線です。*1 あと、キハ11系は何両かミャンマー送りにされていて今なおミャンマーを走っています。
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こっちが城北線キハ11系です。
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名松線で唯一列車のすれ違いができる胃液家城駅です。
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すれ違いのために結構な時間 待たされました。対向列車がもう来たのになかなか出発しないのが謎でした。
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家城を出発すると、だんだん山奥へ突入してきます。トンネルとかが増えてきました。(伏線)
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並行する道が狭い!! (伏線)
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終点の伊勢奥津駅に到着です! 駅舎にはスタンプが置いてあったり観光案内が書かれていて映えそうでした。
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地元の人にとっては、名松線は唯一の移動手段です。車窓からの景色が素晴らしい路線なので、廃線はやめてほしいですね... (伏線)
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写真の左に写っている高い塔のようなものは給水タンクです。(多分) 昔、蒸気機関車が走っていたのかな〜という事が偲ばれますね。右に写っている建物は「ひだまり」というお土産屋さん的な所です。入ると、わざわざ来てくれてありがとうと歓迎してくださいました。ここでは、名松線の歴史について知る事が出来るコーナーがありました。それでは名松線がどんな路線だかしっかり紹介したいと思います。

名松線とその歴史

名松線は、建設当時(1920年代)は「桜松線」として国鉄*2(今のJR)が建設していました。この桜松線という名前は、「桜井」と「松阪」から取られています。そうです。もともとは桜井駅と松阪駅を(名張を経由して)結ぶ重要な路線だったのです。しかし! 国鉄が松阪〜名張の建設を進めていたところ、参宮急行電鉄(現在の近鉄)が桜井〜名張〜(現)伊勢中川〜松阪に路線を開通させてしまいます。(これが現在の近鉄大阪線と山田線です) これでは桜松線を開通させる意味がないじゃないか! ということを悟った国鉄はなんとか頑張ったものの伊勢奥津まで開通させるところで建設を断念。桜井駅までの延伸は諦めてましたが、せめて名張までは繋ごうという希望を込めて名松線という路線名になりました。そして1982年、三重県台風10号が襲います。山奥を走る路線である名松線は、土砂災害で全線不通になってしまいました。この時国鉄は、この赤字路線を廃止しようとしましたが沿線住民の反対と並行する道が狭かったことを理由に廃線は免れ復旧されました。その後は、国鉄が民営化されJRになったり車両が勝手に暴走することはあったけど特に何もない... なんて思っていたら、2009年に台風18号名松線をまた襲いました。家城〜伊勢奥津間は代行バスが運行されまた廃線の危機に陥ります。しかし、住民の強い希望が功を奏しJR東海が2016年、名松線を全線復旧させました! 不通から復旧まで実に6、7年の年月が経っていました。
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自作の適当な路線図です。桜松線が全線開通していたらどうなっていたんでしょうか...

これで一応名松線の話は終わりです。次は、快速みえには乗らずに普通で松阪の先の多気へ行って参宮線で鳥羽へ...( _ _ )..zzzZZ
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疲れた...ディーゼル車でロングシート(キハ25系)とか辛すぎる...さっきの名松線セミクロス(ロング+クロス的なやつ)だったからそっちの方が良かった... とにかく、なんとか鳥羽に着きました。ここは近鉄と駅を共用しています。(桑名駅、津駅、松阪駅も同じく) というかほぼほぼ近鉄の駅って感じでJRが駆逐されてる感じがします。前に近鉄で来た時は思いっきりスルーして賢島行ったので鳥羽で降りれて良かったです。
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綺麗な海だな... 曇ってなかったら、多分(泣)... この写真を撮ったすぐ後ろにお土産屋さんやら足湯やらいろいろありました。じゃあ、1時間ぐらいいましたがそろそろ帰りますか。
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帰りも快速みえです。途中伊勢市駅で連結作業がありました。
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津駅で撮った快速みえの写真。

今回の旅はこれにて終了! いかがでしたか? 名松線も、参宮線もどちらも素敵な景色が見られる路線です。是非、三重県にお越しの際は乗ってみてください! 読んでくださりありがとうございました!
※次の投稿までの時間が空くかもしれません。ご了承ください。

おまけ

実は快速みえの車両って、岐阜でも使われてるんです。しかも普通として。
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こちらがその写真です。この列車は多治見〜美濃太田太多線を通って高山本線で岐阜まで行く列車です。なお、指定席はありません。

*1:城北線は、枇杷島〜勝川を結ぶ路線で名古屋市を通るのにも関わらず複線非電化で、運行本数も日中は1時間1本と少ないいろいろと面白い路線です。

*2:正式名称は日本国有鉄道

ちょっと近鉄全線制覇してみた Part1

2018年12月28日〜30日に、近鉄全線制覇を目指して旅に出かけました。

路線総延長が私鉄で唯一500kmを超える鉄道会社、近畿日本鉄道。今まで車両がダサいだのなんだの言って避けていましたが制覇することにしました。切符は、事前に買っておいた「週末お出かけフリーパス」を使います。この切符は、土日を含む連続3日間だけ近鉄線を使う事が出来ます。値段は4100円と少々高めですが、お隣の赤い電車とか一日券でも3100円するので比べたら全然安いです。また、今回の旅では近鉄線だけでなく京都市営地下鉄も制覇します。あと、この旅で宿泊は志摩線しません。名古屋から日帰り旅行を3回するような予定になってます。

日程は以下の通り。

1日目 ---名古屋線湯の山線鈴鹿線、山田線・鳥羽線志摩線

2日目 ---京都線橿原線天理線京都市営地下鉄  (3日目に持ち越し)、南大阪線支線 (御所線、長野線、道明寺線)

3日目 ---京都線橿原線天理線京都市営地下鉄

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